【受難節第6主日―棕櫚の主日礼拝】 2008年3月16日(日)午前10時半
ルカ福音書による説教「キリストは十字架につけられ」 牧師 佐藤誠司
聖書:イザヤ書53章1〜12節・ルカによる福音書23章32〜43節
今日は受難週の始まりを告げる「棕櫚の主日」です。この日からルカ福音書に入ることになりました。そこでまず23章の十字架の物語を読み、来週のイースターには24章のエマオの物語を読んでから、第1章に戻って降誕の物語を読むことにしました。変則的な形になってしまいますが、案外、これが福音書にふさわしい入り方なのかもしれません。なぜなら、この福音書の記者であるルカは十字架と復活の主を証しするために、その降誕から物語を説き起こしているのですから。
ルカは、まるで十字架の下で聞いていたかのように記しています。十字架の上で主イエスが口にされた二つの言葉を記しているのです。
「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」
「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」
おそらく、これがルカ福音書が語る十字架の物語の二本の柱であると思います。明らかにルカは、ここに主の十字架の意味を見出しているのです。二人の犯罪人が主イエスと共に十字架につけられた。一人は右に、一人は左に。人々はことごとく主イエスを嘲っています。すると、主イエスは言われたのです。
「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」
なぜ嘲るのでしょうか? 主イエスにつまずいたからです。主イエスに身勝手な期待を寄せて、それが裏切られた。あてがはずれたからです。なぜなら、この人々はつい数日前、主イエスを喜んで迎え入れたのですから。裏切られた期待は憎悪に様変わりします。人々が口にしている嘲りの言葉、ののしりの言葉は、そういう心が言わせている。イソップ物語に「キツネとブドウ」というお話があります。夏の暑い日、喉が渇いたキツネがブドウの房に飛びつこうとする。が、何遍やっても届かない。キツネはとうとう食べるのを諦めて、森へ帰るのですが、恨めしげにブドウを振り返って思うさま言うのです。
「あんなすっぱいブドウなんか、いるものか!」
あてがはずれると、相手をののしり、呪うのです。主イエスを嘲る人々は、これに似ています。身勝手な期待では到底、主イエスに手は届かなかった。主イエスを手に入れることは出来なかったのです。いや、彼らだけではない。今の私たちはどうでしょうか? 私たちも日常生活の中で様々な願いを主イエスに対して抱きます。しかし、その願いには案外、私たちのものさしや尺度が表裏一体になっていて、願いを主イエスに差し出しつつ、主イエスのなさりようをものさしで測っているのです。そして主イエスが私たちの願いを満たしてくださらなかったならば、途端に主イエスを呪ってしまう。「もう二度と教会には行かない」などと、イソップのキツネのように捨て台詞を吐いてしまうのです。しかし、主イエスはそういうところにハッキリと現れる人間の罪に心を痛めながら、十字架を背負っておられるのではないでしょうか? 私たちの罪を御自分のものとしながら、罪を贖い取る祈りをささげておられる。
「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」
 私たちはこのお方によって罪が全部贖われていることを知らなければなりません。その御業を感謝をもって受け止めるときに、主イエスはこう言ってくださいます。
「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」
受難週の歩みが始まりました。主イエスが私たちの罪を贖うために何をしてくださったか。その一点に心を高く上げて、復活祭に向けて歩みましょう。今週も主の恵みと祝福がありますよう祈ります。



【予告】
○次週の主日礼拝 3月23日(日)午前10時半 復活節第1主日 復活祭礼拝
 ルカ福音書による説教「復活の主が共に歩んでくださる」 牧師 佐藤誠司
 聖書:詩編16編1〜11節・ルカ福音書24章13〜32節
 聖餐式が行われます。
○洗足木曜日夕礼拝―聖餐式執行 3月20日(木)午後7時
 説教:「成し遂げられた御業」ヨハネ福音書19章28〜30節


【 ≪ 前の1 件 】【 次の1 件 ≫ 】
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69] [70] [71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86] [87] [88] [89] [90] [91] [92] [93] [94] [95] [96] [97] [98] [99]