【降誕節第4主日礼拝】 2008年1月20日(日)午前10時半
第一コリントによる説教「最も大切なこと」 牧師 佐藤誠司
聖書:詩編16編1〜11節・第一コリント書15章1〜11節
パウロはこれまで、コリント教会で起きている様々な問題や状況に福音の光を当てて語ってきました。人間の目には解決不可能と思える問題にも丁寧に福音の光を当てて、一つ一つ解決と成長の糸口を模索してきたのです。ところが、15章に至ってパウロの語調は変わります。パウロはここで居住まいを正して、これまで語ってきたことの根拠を述べている。私たちの信仰の根拠を述べている。福音そのものを語っているのです。
「兄弟たち、わたしがあなたがたに告げ知らせた福音を、ここでもう一度知らせます。これは、あなたがたが受け入れ、生活のよりどころとしている福音にほかなりません。」
パウロは思い起こしてほしいのです。救いの原点である出来事を教会の人々に思い起こしてほしいのです。なぜなら、キリストを信じる信仰というのは明確な原点があるからです。しかし、この原点を忘れて、いたずらに時を重ねているキリスト者のなんと多いことでしょうか。だからパウロは「あなたがたが信じたことが無駄になってしまわないために」と言って、こう語りかけるのです。
「最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。」
ここにキリスト信仰の急所が語られています。世々の伝道者やキリスト教会が伝えてきたのは、自分たちが考案したことではないのです。彼らは受けたことをそのまま伝えてきた。それをパウロは「最も大切なこと」と呼ぶのです。それはキリストが十字架で死なれたこと、そして三日目に復活させられたことです。しかし、パウロは丁寧に二つのことを言い添えています。「聖書に書いてあるとおり」と「私たちの罪のために」の二つです。そしてパウロは復活の主イエスが多くの弟子たちに現れてくださったことを語り、最後にこう言います。
「そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現われました。」
パウロが言う「現れる」というのは「姿を現す」という意味だけではない、もっと深く、重い意味を持っています。それは、その人の生き方そのものの上に現れてその生き方を根底から変えていくという意味です。その人の目の前に「姿」として現れただけではなく、その人の生き方・人生の真っ只中に「力」となって現れてくださったのです。だから、パウロはここから急に生き方の転換―自分の身に起こった回心―を語り始めるのです。
「わたしは、神の教会を迫害したのですから、使徒たちの中でもいちばん小さな者であり、使徒と呼ばれる値打ちのない者です。神の恵みによって今日のわたしがあるのです。」
これを読みますと、キリストの復活を語ることは、すなわち「私」に現れた復活の主の恵みを証しすることなのだと解ります。主の復活を語ることは他人事ではありえないのです。主の復活と今の私が密接に分かち難く結ばれている。だからパウロは「神の恵みによって今日のわたしがある」と言うのです。これはパウロだけではない。すべてのキリスト者に与えられている喜びです。なんという深い喜びでしょう。なんという尊い喜びなのでしょう。パウロと同じ喜びを今も私たちが味わい、分かち合うことが出来るなんて。だからこそ、これは「福音=喜びの知らせ」なのです。今週も主の祝福が豊かにありますよう祈ります。
【予告】
○次週の主日礼拝 1月27日(日)午前10時半 降誕節第5主日 石川地区交換講壇
説教「思い煩いからの解放」 小松教会伝道師 松島保真
聖書:詩編91編1〜16節・フィリピ書4章6〜7節
○礼拝後に松島保真先生を囲む愛餐会を行います。たのしい昼食のひとときです。ご参加ください。
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